金属の可能性を最大限に引き出すKYORITSUの多彩な熱処理技術

ユーザーの方々に選ばれる共立ヒートテクノの熱処理技術の数々。
一般熱処理を網羅する幅の広さ、ひとつひとつの技術に対する熟練度や精度の高さ、お客様への提案力が大きな特徴です。
金属の可能性を最大限に引き出すために、金属熱処理技能士資格を持つ多くの社員たちが24時間体制で従事しています。

焼入焼戻し
Quenching and tempering 01

最もメジャーな熱処理技術で、硬度と靭性を引き出す

鋼を組織の変わる変態温度以上に加熱して、水・油・ソルト等で急冷することによって非常に硬いマルテンサイトに変態させ、その後、適切な温度で再加熱して引張強さや靭性などの機械的性質を与える処理です。熱処理の中でもっとも多用され、様々な製品に利用されています。

  • 共立の焼入焼戻し
  • 共立の焼入焼戻し
  • 共立の焼入焼戻し

浸炭
Carburizing 02

表面は硬く、内部は柔らかい、耐摩耗性に優れた金属に

鋼を浸炭性ガス雰囲気中で加熱し表面側から炭素を浸透させた後、急冷することで表面は硬く耐摩耗性に優れ、内部は軟らかく靭性に優れた製品となる処理です。主にギヤやシャフトなど強度と耐摩耗性を要求される製品に利用されています。

  • 共立の浸炭
  • 共立の浸炭

浸炭窒化
Carbonitriding 03

浸炭では対応できない低炭素鋼の表面硬度を引き出す

鋼の表面から窒素と炭素を浸透させ、焼入れすることで表面部の硬さを得る処理です。浸炭では処理できないような低炭素鋼に適用でき、浸炭よりも低い温度で処理するため変形も少なく抑えることができます。

  • 共立の浸炭窒化

ガス軟窒化
Gas nitrocarburizing 04

表面硬化処理で耐摩耗性・耐疲労性・耐食性を高める

鋼を浸炭性ガスとNH₃ガスの雰囲気中で加熱し、表面に炭窒化物と窒化層を形成させ表面の耐摩耗性、耐疲労性、耐焼付き性の向上を目的とした処理です。変態温度よりも低い温度で処理するので熱処理による歪がほとんど発生しないのも特徴です。

  • 共立のガス軟窒化
  • 共立のガス軟窒化

真空熱処理
Vacuum heat treating 05

処理前に持っていた表面光輝性を保持できる熱処理

真空中で加熱・冷却の操作を行うことによって表面の酸化や脱炭が生じない光輝性に優れた熱処理です。真空固溶化処理や真空焼入、真空焼なましなど様々な処理が行えます。主にステンレス鋼の熱処理に利用されています。

  • 共立の真空熱処理
  • 共立の真空熱処理

焼ならし
Normalizing 06

加工の影響を除き、結晶粒を微細化して機械的性質を向上させる熱処理

鋼を組織の変わる変態温度以上に加熱し、そこから大気中で自然冷却を行い、鍛造や圧延など前加工で生じた影響を元の標準状態(ノーマル)に戻す処理です。主に熱間鍛造後の処理として利用され、後処理の浸炭処理などにも影響してきます。

  • 共立の焼ならし
  • 共立の焼ならし
  • 共立の焼ならし

焼なまし
Annealing 07

熱処理によって軟化させることで加工性を上げる

鋼を組織の変わる変態温度以上に加熱し、設備内で徐々に冷却することで鋼の結晶粒を調整して被削性の向上、軟化を目的とする処理です。主に素材の前処理として利用されています。

  • 共立の焼なまし
  • 共立の焼なまし

調質
Thermal refining 08

強靭性が求められる製品素材の重要な前処理

強度と靭性、機械加工性の向上を目的として、焼入後に高温で焼戻しを行い、組織をソルバイトやトルースタイトにする処理です。また、高周波焼入、窒化の前処理としても利用されています。

  • 共立の調質

応力除去焼なまし
Stress relief annealing 09

冷間加工で生じた残留応力を除去する熱処理

加工などで生じた応力や結晶粒のムラを変態温度以下で加熱し、鋼のストレスを取り除く処理です。主にプレス加工応力や溶接の熱応力を除去するのに利用されています。

  • 共立の応力除去焼なまし

溶体化処理
Solution treatment 10

合金成分を鋼の中に溶け込ませるための熱処理

アルミニウムなどを加熱・急冷して過飽和固溶体にする処理です。 溶体化後に時効処理を行うことにより優れた機械的性質を引き出すことができます。

  • 共立の溶体化処理

オーステンパー
Austemper 11

靭性や耐久性の高いベイナイト組織を得るための焼入加工

安定したオーステナイト組織になるまで加熱した後、300~500℃で冷却し等温(恒温)保持することで、ベイナイト組織を得る焼入方法です。変形や歪み、焼き割れが少なく、強靭性や高い耐久性が得られます。

  • 共立のオーステンパー
  • 共立のオーステンパー
  • 共立のオーステンパー

黒化処理
Blackening process 12

外観美化だけではなく、防錆効果を高めた表面処理加工

焼戻炉の燃焼バーナー排ガスを利用した黒化処理雰囲気の中で焼戻しすることで製品表面に黒色酸化被膜(Fe3O4)を生成させた後、防錆油を浸透させる表面処理です。強固な被膜で、防錆、耐久性に優れています。

  • 共立の黒化処理
  • 共立の黒化処理
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ショットブラスト
Shot blast 13

投射材を加工物の表面に吹き当てる仕上げ加工

熱処理後の表面の酸化スケールや着色、またバリ取りなど表面の異物を高速で投射したスチールグリッドにより除去する処理です。 表面が清浄化され、後加工などが容易になります。

  • 共立のショットブラスト
  • 共立のショットブラスト

矯正
Correction 14

あらゆるサイズの歪みや曲がりを高い精度で矯正

熱処理は、鋼の性質を変化させるため歪が発生することがあります。特に軸製品などは曲がりが発生しやすく、そのままでは使用できないため、いかに図面公差内に矯正するかが重要なポイントになります。

  • 共立の矯正
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